注文住宅を建てる際に「コンセントの位置」は見落とされがちですが、実は暮らしやすさを大きく左右する重要なポイントです。設計の段階でしっかりと計画しておかないと、「ここにコンセントが欲しかった…」「タコ足配線でごちゃごちゃしてしまった…」と後悔することになりかねません。

そこで本記事では、注文住宅のコンセント配置を決める際に気をつけるべきポイントや、具体的な設置場所のアイデアを詳しく解説します！

1. コンセントの配置計画の基本ルール

① 家具・家電の配置を想定する

コンセントを設計する前に、まずは 「どこに何を置くのか」 を明確にしておくことが重要です。

• ソファの近くにはスマホの充電用コンセント
• キッチン周りには炊飯器や電子レンジ用のコンセント
• ベッドの近くにはスマホや目覚まし時計用のコンセント
  など、普段の生活を想像しながら考えましょう。

② 高さや個数も重要

一般的に、コンセントは床から 25cm前後 の高さに設置されますが、用途によっては 高め や 低め に設置した方が使いやすい場合もあります。
また、1つの場所に 2口ではなく4口にする ことで、タコ足配線を減らしスッキリとした空間にできます。

③ 生活動線を意識する

「移動しながら使う」家電（掃除機・ドライヤー・充電器など）に合わせて、動線上に適切な位置にコンセントを配置 しましょう。

2. 部屋別！コンセントのおすすめ配置

◆ リビング

リビングは 家族が集まる場所 なので、コンセントの数や位置が特に重要です。
✅ テレビ周り → テレビ・ゲーム機・レコーダー・ルーターなどを想定し 4〜6口 のコンセントを設置
✅ ソファ周り → スマホやタブレットの充電用に ソファ横や足元 にコンセントを設置
✅ 掃除機用 → 掃除機を差し替えずに使えるよう、壁の中央や角に数カ所配置

📌 ワンポイント
床に埋め込む「フロアコンセント」を設置すれば、延長コードなしでスッキリ！

◆ キッチン

キッチンでは 調理家電を快適に使えるような配置 が大切です。
✅ 調理家電用（冷蔵庫・炊飯器・電子レンジなど） → それぞれ専用コンセントを設置
✅ 作業スペースの手元 → ハンドミキサーやコーヒーメーカー用に 高め（90〜100cm）の位置 にコンセントを設置
✅ ダイニングテーブル周り → ホットプレートやミキサー用に 足元にコンセント を設置

📌 ワンポイント
電子レンジや炊飯器は 消費電力が高いので専用回路を用意 すると安心！

◆ 寝室

寝室では、スマホの充電 や 間接照明 など、寝る前の快適さを考慮しましょう。
✅ ベッドの両サイド → スマホ充電や照明用に
✅ デスク周り → PCやスタンドライトを使うならデスク近くにコンセントを配置
✅ テレビ用 → 寝室にテレビを設置する場合は、配線が隠れるように計画

📌 ワンポイント
USBコンセントをつけると、アダプターなしで直接充電できて便利！

◆ 洗面所・脱衣所

✅ 洗面台周り → ドライヤー・電動歯ブラシ・シェーバー用に
✅ 洗濯機置き場 → 洗濯機用の専用コンセントを設置（高さ90〜120cm）
✅ アイロン用 → アイロンを使う場所にコンセントを追加

📌 ワンポイント
コンセントは 水に濡れにくい場所 に配置し、防水カバーをつけると安全！

◆ 玄関・廊下

✅ 玄関周り → 防犯カメラ・センサーライト・電動自転車の充電用に
✅ 廊下 → ロボット掃除機の充電スペースを確保

📌 ワンポイント
玄関に「足元灯付きのコンセント」を設置すると、夜間の移動も安心！

3. 後悔しないためのチェックリスト

✅ 家具・家電の配置を想定しているか？
✅ 必要な場所に十分な数のコンセントがあるか？
✅ 使いやすい高さ・位置になっているか？
✅ 掃除機やロボット掃除機の充電スペースは確保しているか？
✅ 防水対策・専用回路など、安全面も考慮しているか？

コンセントは 生活の利便性を大きく左右する要素 です。後から増設するのは大変なので、設計段階でしっかりと計画しましょう！

5. コンセントの失敗例と対策

① 必要な場所にコンセントが足りなかった

【失敗例】
「リビングのソファでスマホを充電したかったのに、近くにコンセントがなくて延長コードを使うことに…。」

【対策】
ソファやベッドの 左右どちらにもコンセントを設置 することで、どちらの位置でも快適に充電できます。特に、スマホの充電やPC作業など頻繁に使う場所では、USB付きコンセント を設置するとアダプター不要で便利です。

② 掃除機のコンセントが遠い

【失敗例】
「掃除機のコードが届かなくて、部屋を移動するたびに抜き差ししなきゃいけない…。」

【対策】
掃除機を使うことを考えて、部屋の中央や廊下にコンセントを追加 すると、抜き差しの手間が減ります。また、ロボット掃除機を使う場合は、充電ステーションを置く場所にコンセントを用意 しておきましょう。

③ キッチンのコンセントが少ない

【失敗例】
「電子レンジ、炊飯器、電気ケトルを使うとコンセントが足りなくて不便…。」

【対策】
キッチンでは、家電ごとに専用のコンセントを設置 することが重要です。特に消費電力が高い電子レンジやIHクッキングヒーターは、専用回路 を設けると安心です。また、作業スペースには腰の高さ（90～100cm）にコンセントを設置 すると、調理中の家電が使いやすくなります。

④ 洗面所・脱衣所のコンセント位置が悪い

【失敗例】
「ドライヤーを使うときにコードが邪魔で、うまく乾かせない…。」

【対策】
洗面所では、使いやすい高さ（120cm前後）にコンセントを設置 すると、ドライヤーや電動歯ブラシのコードが邪魔になりにくくなります。また、洗濯機周りは水が飛ぶ可能性があるため、防水カバー付きのコンセントにすると安心です。

⑤ 玄関にコンセントがなくて困る

【失敗例】
「電動自転車の充電やクリスマスのイルミネーションを飾りたかったのに、コンセントがない…。」

【対策】
玄関には 外でも使える防水コンセント を設置しておくと、電動自転車の充電や掃除のときに便利です。また、クリスマスやお正月のイルミネーションを楽しみたい場合は、外壁に屋外コンセント を設置しておくとよいでしょう。

6. コンセントの追加アイデア

📌 家具の中にコンセントを組み込む

最近では、造作家具（オーダーメイド家具）にコンセントを組み込む ことも可能です。

• キッチンカウンター にコンセントをつけると、ミキサーやトースターが使いやすい
• デスクや本棚の中 にコンセントをつけると、PCやプリンターの配線がスッキリ
• クローゼット内 にコンセントを設置すると、コードレス掃除機の充電ができる

このように、家具のデザインと一体化 させることで、スッキリした空間を作れます。

📌 マグネット式コンセントを活用する

最近注目されているのが マグネット式コンセント（Panasonicの「どこでもスイッチ」など）。壁の中にレールを仕込んでおくと、後から好きな位置にコンセントを移動できます。

特に「将来の家電の増加が心配」「子どもの成長に合わせて配置を変えたい」という家庭におすすめです。

📌 ワイヤレス充電スポットを作る

テーブルやカウンターの一部に、ワイヤレス充電器を埋め込む 方法もあります。スマホやタブレットを置くだけで充電できるので、充電ケーブルのわずらわしさがなくなります。

特に、キッチンカウンターやリビングのサイドテーブル に組み込むと、日常的に便利です。

7. 将来を見据えたコンセント計画

コンセントの配置を考える際は、今の生活だけでなく将来の変化 も考慮することが大切です。

🔹 子どもの成長に合わせた計画

• 赤ちゃんの頃 → ベビーモニター用のコンセント
• 小学生 → 学習机周りのコンセント（スタンドライトやPC用）
• 中高生 → スマホ充電やゲーム機の充電スペース

このように、子どもの成長に合わせて 必要なコンセントが変わる ので、将来を見据えて多めに設置しておくと安心です。

🔹 テレワークや趣味スペースのためのコンセント

近年、テレワークが普及し、自宅で仕事をする機会が増えている ため、書斎やワークスペースのコンセント配置も重要です。

• デスクの近くに 4口以上のコンセント（PC、モニター、プリンター、充電器用）
• Wi-Fiルーター用 のコンセントを確保（ネット環境を安定させるため）

また、DIYやガーデニング、キャンプ道具のメンテナンスなど、趣味のためのコンセント もあると便利です。

🔹 将来のリフォームやバリアフリーを考える

年齢を重ねると、「掃除機のコードが邪魔」「コンセントの位置が低くて使いづらい」などの問題が出てきます。

• スイッチやコンセントの高さを高めに設置（車いすや高齢者が使いやすい）
• 廊下や寝室にナイトライト付きコンセントを設置（夜間の転倒防止）

長く快適に暮らすためには、こうした将来のライフスタイルの変化 も考慮することが大切です。

8. まとめ

コンセントの配置は、快適な暮らしを支える重要なポイント です。
計画時には、以下の点を意識しましょう。

✅ 家具や家電の配置を想定する
✅ 掃除や生活動線を考慮する
✅ 使いやすい高さ・数を決める
✅ 将来の変化に対応できるようにする

「ここにコンセントがあればよかった…」と後悔しないよう、しっかりと計画を立てて理想の住まいを実現しましょう！