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玄関に土間収納をつくるときに注意しておきたいポイント

玄関に土間収納を設けることは、現代の住まいづくりで人気の高いアイデアです。土間収納は、靴や傘、アウトドア用品、さらには日常生活で使う雑多なアイテムを収納するためのスペースとして役立ちます。とはいえ、ただ単に「収納スペースが増える」というメリットに飛びつくだけでは、実際の生活の中で「使いにくい」と感じることもあります。本記事では、玄関に土間収納を設ける際に注意しておきたいポイントを詳しく解説します。

1. 土間収納の設置目的を明確にする

何を収納したいのか?

土間収納を作る際、最初に考えるべきは「何を収納するのか」です。例えば以下のような用途が考えられます

靴やスリッパアウトドア用品(キャンプ道具、釣り具、スポーツ用品)子どもの遊び道具(ボール、自転車)傘や雨具日用品ストック(飲料水や掃除用品)

用途が曖昧なままだと、結果的に無駄なスペースになりがちです。まずは、どんなアイテムを収納したいかを家族全員で話し合い、目的を明確にしましょう。

日常生活での動線を考える

土間収納は「外と内をつなぐスペース」という特性上、日常生活での動線と密接に関わります。動線を無視すると、使い勝手が悪くなります。たとえば、以下のような配置にすると便利です:

玄関から土間収納に直接アクセスできる。

土間収納を経由して室内に入れる。

外出時や帰宅時にスムーズに物を出し入れできる。

こうした動線設計は、使いやすい土間収納の大前提です。

2. スペースの広さと配置を計画する

必要な広さを見極める

土間収納を設ける場合、その広さをどう設定するかが重要です。広すぎると無駄なスペースになり、狭すぎると使い勝手が悪くなります。

参考例として

靴や小物だけを収納する場合:1畳程度で十分。

アウトドア用品や自転車を収納する場合:2〜3畳程度必要。

万能型の収納スペースとして活用する場合:最低でも3畳以上。

家の全体の間取りとのバランスも考慮し、必要最低限の広さを確保しましょう。

土間収納の位置

土間収納を玄関に隣接させる場合、以下のような配置を検討してください:

玄関脇に設置
一般的な方法で、使いやすさとスペース効率が良い。

玄関から少し奥に配置
見た目のスッキリ感が高まるが、動線が長くなる可能性あり。

独立型のスペースとして設置
完全に収納専用のスペースとして機能させる場合におすすめ。

特に玄関から見える部分に物が散らからないよう工夫が必要です。

3. 換気と湿気対策を忘れない

土間収納は、外と内の境界にあるため、湿気や結露が発生しやすい場所です。この問題を放置すると、収納した物がカビたり悪臭が発生したりします。

換気設備の設置

換気扇を設置する:特に密閉性の高い住宅では必須。

窓を設ける:自然換気が可能になり、光も取り込めます。

防湿対策

床材に水に強い素材(タイルやコンクリート)を使用する。壁には防湿クロスを貼るか、防水塗料を塗る。収納棚を壁から少し離して設置し、空気の通り道を確保する。

湿気対策を怠ると、せっかくの土間収納が使い物にならなくなる可能性があります。

4. 収納棚やフックの設計を工夫する

収納の種類を分ける

土間収納内のスペースを有効活用するには、収納棚やフックを使い分けることが大切です。

可動式の棚:物のサイズに合わせて調整可能。

壁掛けフック:傘やバッグを吊るすのに便利。

大型収納ラック:アウトドア用品や工具などの大きなアイテムに対応。

棚の高さや幅を調整することで、収納力を最大限に引き出せます。

見た目も重視する

土間収納は玄関の延長線上にあるため、来客時に目に入る可能性もあります。そこで、収納棚やフックに以下の工夫を施すと良いでしょう

扉付きの棚を使うことで、見た目をスッキリ保つ。

統一感のあるデザインや色合いを選ぶ。

「実用性」と「見た目の美しさ」を両立させることがポイントです。

5. 照明の選び方

明るさを確保する

土間収納はどうしても薄暗くなりがちです。そのため、明るい照明を設置して作業しやすい環境を整えましょう。

天井に埋め込み式のLEDライトを設置:均一な明るさを確保。

センサー付き照明を採用:手がふさがっているときにも便利。

明るさが足りないと、物の出し入れがしづらくなりますので注意が必要です。

6. 安全性と防犯性を確保する

土間収納は外に近いスペースなので、防犯対策も考慮する必要があります。

施錠できるドアを設置:収納内の貴重品を守るため。

外部から中が見えない工夫:窓には目隠しフィルムを貼るなど。

また、滑りやすい床材を使わないようにし、安全面にも配慮してください。

7. コスト面を考慮する

土間収納の設置には、それなりのコストがかかります。棚や照明、換気設備などを加えると費用が膨らむ可能性があるため、事前にしっかりと予算を設定しておきましょう。

基本的な土間収納の設置費用:約30〜50万円

高機能な設備(換気や可動式棚)を追加すると、70万円以上になることも。

無駄なコストを避けるためにも、必ず複数の施工業者から見積もりを取りましょう。

まとめ

玄関に土間収納を作ることで、家の収納力と利便性が大幅に向上します。しかし、設置目的や動線計画、換気対策、収納棚の工夫など、さまざまなポイントを考慮しなければ、満足のいく空間にはなりません。計画段階で十分に検討し、家族のライフスタイルに合った土間収納を実現しましょう。